自分自身で、そして家族間で将来像や夢をよく語り合ってください。言葉にするとだんだんイメージがクリアになります。自分は、家族は将来、どうなりたいのか。子どもをどんな環境で育てたいのか。ビジョンを考えたり、語り合うことはとても重要です。
田舎生活を始めたくても、いったいどんな事に注意すべきなのか、わからない事がたくさんあります。ここでは、その田舎暮し実現のためのポイントを田舎生活に詳しい塩見直紀さん(半農半X研究所、綾部市在住)にポイントを8つ聞きました。
田舎生活を始められるまでのポイントをご紹介します。
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インターネット上にも、「田舎暮らしの本」や「TURNS(ターンズ)」などの移住系の雑誌にも情報はいろいろあります。行政(都道府県や市町村)などのホームページもぜひチェックください。医療、教育、公共交通機関、店などだけでなく、文化度や気候なども調べてみてください。
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気になる地域があれば、ぜひ車を使って訪問してください。おすすめは田舎カフェや農家レストラン、農家民宿にお客さんとして行き、仲良くなることです。都市農村交流も盛んなので、イベント参加もいろいろしてみてください。
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農家民宿や宿泊体験施設を利用し、ぜひ1~2泊してみてください。できれば、春秋のいい季節だけでなく、暑い夏や寒い冬も体験することが重要です。
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カフェでも農家民宿でもいいので、顔見知りになり、移住希望先に友だちをつくることです。同じ価値観の人がいると輪が広がります。
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「田舎は仕事がない」といわれますが、良縁は人が連れてくるものです。就職先を探すという発想以外に、小さくとも田舎で何か事業を起こすという視点も考えてください。人や料理が好きで、地域資源を活かしたいなら、個人的には、農家民宿というのは、すばらしいライフワークになると思っています。綾部、福知山には、陶芸や工芸などの芸術分野でがんばっているアーティストの移住者も多いです。農業法人などの就職先もある時代になっています。
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結婚と同じで、家も「赤い糸」なのだと思います。大事なのは自分がそこで暮らしているイメージがわくもの。夫婦の場合は、意見が一致する物件にしましょう。綾部市など、空き家バンクをもっているところも多いです。都市部の不動産屋さんが田舎物件をもっていることもありますが、田舎物件をもった地元の不動産屋さんにろいろ相談しましょう。
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田舎にはいろいろなしきたりや決まりごとがあります。すべてが古いことばかりではなく、つながりが薄れ、無縁化する現在、かえって、最先端なことが田舎にいろいろあります。
楽しむ気持ちで、「我以外皆師」の精神で、学ぶ気持ちを持ち、よい点を吸収ください。批判ばかりではいけません。古きに学び、新しい時代を、理想の社会を一緒につくっていきましょう。
塩見直紀(しおみなおき)
半農半X研究所代表。1965年京都府生まれ。大学卒業後、(株)フェリシモを経て2000年に半農半X研究所設立。21世紀の生き方として「半農半X」を提唱。NPO法人里山ねっと・あやべでは、綾部里山交流大学を企画・運営するなど、地域おこしにも取り組む。著書に『半農半Xという生き方』ほか、全国での講演活動も多数。